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人生を彩る音楽・書籍・雑記
音楽の守備範囲はポップス、ロックからブラックミュージック、トラッド等々
  

難解な歌詞の上手な読み方、教えます。

 

インターネットで好きな曲の歌詞を調べていると、検索結果に「○○ 歌詞 意味」「○○ 歌詞 解釈」みたいなのが出てくることが多いことに気付く。

 

調べて出てきた人の解釈を読むのもいいんだけど、歌詞を見た時にパッと意味がわかったり、楽しめたりしたらもっと楽しいはずだ。歌詞の解釈の方法のファーストステップを、有名なポップスを例を挙げながら、わかりやすく解説しようと思う。

 

 

ポイントは大きくまとめると二つだ。

 

  • 行間

 

 読んでいて「なんで?」ってなる部分

 書いてあることと書いていないことを理解する

 書いていないことの推測の方法

 

  • メタファー

 

 読んでいて「どういう意味?」ってなる具体表現

 ex.「君に花束を」→「君に愛を」への変換の仕方

 意味のよくわからない言葉の解釈の仕方

 

 

面倒な人は文字の大きいところだけ読んでもかまわない。

 

言葉を重ねて行間を生み出す


 

まず理解して欲しいのは、解釈に正解はない。更にいうなら、作者と作品を切り離して考えたとき、作者の解釈より妥当な解釈が存在する可能性もある、ということだ。ディカプリオ主演の「インセプション」の監督インタビューで、クリストファー・ローランは「そういう解釈もできるかもしれない」と頻りに答えていた。

 

歌詞に限らず、作品の解釈が人によって違うというケースはよくある。それには簡単な理由がある。解釈を一つに確定するには内容が不十分だからだ。一冊の小説、二時間の映画、一時間のドラマで表現できることには限りがある。ましてや30行に満たない散文である歌詞の表記してある情報は少なすぎる。

 

さて、行間とは何か。A「雨が降っている」B「今日は出かけなかった」という二つの文章がある。解釈は「A」「雨が嫌いだから」「B」と、「A」今日は用事がなかったから」「B」の少なくとも二通りの解釈がある。赤い部分が行間であり、これを確定させることが歌詞の解釈である。

 

上記のようなものを確定させるには、歌詞全体を見なければならないので、後回しにしよう。前後の文章だけでなく、もっと多くの文章が行間に関わってくることも多々ある。しかし、すぐわかる行間もある。

 

私の知り合いに、「言葉にできない / オフコースのサビに関して、「ラララって適当すぎだろ、歌詞つけろや」と言った人がいる。この人は「言葉にできない」(だから言葉じゃないもので表す)「ラララ」という行間が読み取れてなかったと言える。

 

つまり、行間を読むとき始めにすることは

 

詰まったら、前後の文章の関連性を探す。解釈がいくつも出来たら後回し。

 

だ。

 

 

ジンジャーエール買って飲んだ。こんな味だったっけな。


 

くるりのヒット曲「ばらの花」の一節だ。このジンジャーエールは「恋心」を表していると考えられる。これがメタファーというやつだ。そしてメタファーの本質とは、抽象的なものを具体的なものに置き換えることである。

 

つまり、どうしてジンジャーエールなのかわからない、という風になったら、抽象的なものを疑うといい。さて、なんで「ジンジャーエール」は「恋心」なのか。

 

ジンジャーエール」は二回登場する。まだ君に会える頃、会えなくてほっとしているときに飲む「気の抜けたジンジャーエールと、もう君に会えなくなって、会えなくて胸が痛むときに飲む「買ったジンジャーエールだ。

 

賢い読者の皆様はもうわかっただろう。共通してるもの、異なっているものを見つけると、自然と抽象的なものが浮き上がってくる。

 

また、ジンジャーエールは炭酸飲料なので、刺激的なものや、ピリピリ、チクチクする感覚、炭酸が抜けるという事象などから当てはまるものを推測していくこともできるし、異性に花束を送るのは愛情表現、振れれたあとに降る雨は悲しい気持ちを表す、みたいな定番、有名なものの引用も多く存在する。

 

さんざん説明したが、Mr.ChildrenYouthful Days「蘇生」を読めばメタファーの意味が一瞬で分かる。二曲とも、Aメロで具体表現の文章、Bメロで抽象表現にして同じ文章を書いている、とてもわかりやすい歌詞だからだ。

 

また、「ばらの花」が「ジンジャーエール」という言葉が対応しているのに対して、ミスチル構成が対応している。同じ言葉が出てこない場合は、構成が似ている文章を探すのも手だろう。

 

 

メタファーを読み取るときにすることは

 

同じ言葉が使われている箇所を探す。無い場合は文の構成が似ている部分を探す。それも無い場合は、言葉のイメージを考えるか、王道の表現を調べる。

 

だ。

 

 

読みたいように読むこと


 

結局、作品を鑑賞するということは、一つの正解を見つけ出すことではなく、そこから何かを感じ取ることだと思っている。究極的に言えば、明らかに間違った解釈をしても心が動かされたなら、それも正しい鑑賞だ。デタラメでもいいから、自分で解釈すると、人生はより豊かになると思っている。